カナダでオフィスワークのジョブオファーを貰うまでにやったこと・流れ
カナダにワーホリで来て5ヶ月目くらいで自分の専門職(オフィスワーク)のジョブオファーを貰えた。週2-3日のバイトをしながら、4ー5ヶ月間粘った末にようやくオファーを獲得できたのですごく嬉しかった。ジョブオファー獲得までに個人的にどんなことをやったかをシェアする。
自分の専門は Engineering, つまり工学系の仕事。日本語でエンジニアというとプログラマーのような IT エンジニアのことを一般的に指すが、IT 系ではない。
ジョブオファーを貰った直後に下記のようなツイートをしたけど、この記事は下記のツイートについて補足・まとめた記事。
カナダで技術職(IT系じゃないです)の仕事を得られたので、知見をシェアする🇨🇦
— ちゅう🐀 (@chuprod) August 19, 2023
1. LinkedIn は必須
どの媒体から応募しても(例 Indeed)、応募先の人事や部長さんにLinkedInプロフィールを検索されるので、職歴やスキルなどのLinkedInのプロフィールを作り込むべき
必読: https://t.co/ZA5TSXibWz
カナダ渡航前
カナダに来る前から、少しだけ就活の事前準備をしていた。当時はカナダで就活して永住権を取りたいというモチベーションは無く、単に自分の専門職で働いてみたいという気持ちしかなかったので、レジュメ等の準備まではしていなかった。
- 就活でよく聞かれる質問とそれに対する回答例を徹底的に作り込んだ
- Cambly というオンライン英会話の仲のいい講師にそれらの内容を添削してもらった
- 内容を完全に暗記するまで、ひたすら口に出して練習した。
- Cambly で面接の練習をした。
上記は事前にやっておいて非常に良かったと思う。カナダに来る前に、就活の想定質問とその回答を作り込んでいた過去の自分を褒めたい。
応募の準備
レジュメ
レジュメは日本でいう履歴書のようなもの。1枚の紙に自分の職歴とかスキルを記す。Google Docs を使って、シンプルなフォーマットで作成した。
レジュメを作るにあたり、次の Note を発見し、大いに参考させていただいた。必読。
上記の記事にて、「レジュメは AI によって内容が抽出されてスクリーニングされるから、募集要項で出てくるキーワード(スキル)はきちんと盛り込もう」というような内容が書いてあったので、下記の手順でレジュメ作業に取り組んだ。
- まず、自分のポジション名を Indeed で検索して、何十社もの募集要項を確認。
- すると、どこの会社も似たようなスキルを求めていて、似たようなキーワードが出てくることに気づいた。
- そこで、募集要項によく出てくるキーワード・スキルセットをとにかく洗い出した。
- 洗い出した後に、その中から自分が持ってるものを全部ピックアップしてレジュメに盛り込んだ。
- 機械的に文字が抽出されやすいように、フォーマット・デザインにはこだわらずにシンプルなフォーマットでレジュメを作成した。
先ほどの Note では、ポジションごとに内容を編集すべきというアドバイスがあったのだけど、面倒だったので、一枚のレジュメを使い回していた。
カバーレター
先ほどの記事にて、カバーレターは大事ということが明記されていたので、カバーレターもできる限り書いた。とはいえ、自分の英語力ではカバーレターを1枚1枚作っていたら時間がかかりすぎて容量が悪いので、下記の流れで作っていた(1枚10分くらい)。
- まず、ChatGPT を使って、カバーレターを作成する。プロンプトはこんな感じ。「次の会社に応募するためのカバーレターを英語で作成してください。<募集要項コピペ>。なお、私のレジュメは次のとおりです。私のレジュメの内容もカバーレターに反映させてください。<レジュメのコピペ>」。
- たまに ChatGPT は盛り盛りのカバーレターを書いてくるので、内容をしっかりチェック。変なこと書いてたら削除・添削。
- その後、英文を全部 Grammarly に突っ込んで、文法・表現を修正。
応募は作業ゲー
毎日応募しているのに一向に返事がなかったりすると、メンタルが病んでやる気が下がったりする。この会社いい!絶対受かりたい!みたいな姿勢で挑んでいたら簡単に心が折れてしまったので、「毎日10件応募する」みたいな最低限の目標を掲げて、心を無にして作業ゲー化させていた。
100件以上応募して、インタビューを受けたのは 7 社程度。
面接
Phone Interview
面接に関しては、下記の記事を大いに参考にさせてもらった。
ある程度以上の規模の会社であれば、最初に HR との Phone Interview がある。内容はレジュメの確認とビザの確認程度のもの。上記の記事によると、面接は早く受けた方がいいとのことなので、毎回なる早の日程でインタビューを調整していた。面接は当然平日に行われるので、面接の調整がしやすいようにバイトは主に週末(金土日)にして、平日はできるだけ空けるようにしていた。
Phone Interview は大体15分程度。レジュメの内容を確認されるのが主なので、レジュメを印刷して手元に用意して挑んだ。ビザも大体聞かれるので、オープンワークパーミット(雇用者を限定しないワークビザ)を持っていて、その期限はいつまでということを伝えた。
念の為、スポンサーになってもらうことは可能か(= LMIA という雇用主にスポンサーになってもらって取得する就労ビザをサポートしてもらえるかどうか)ということも毎回聞いていた。自分の場合、オープンワークパーミットはワーキングホリデーで取得したものだった。ワーホリで得たワークパーミットは基本的に延長できないので LMIA をサポートしてもらえるかどうかは非常に重要だった。
LMIA のサポートをしてもらえない場合、自分で永住権を申請して BOWP というブリッジビザを申請するか、RO ワーホリというセカンドワーホリのようなものを申請するなどの必要がある。
Phone Interview は手元に用紙した資料(レジュメとか回答集)を見ながら受けることができるので、気持ちは楽なんだけど、電話の音質的に英語が聞き取りづらくてしんどかった。
最終面接
直接オフィスに行くこともあれば、地理的に厳しい場所の場合、オンラインでの面接だった。
面接の日程がメールで送られてくる際、Outlook イベントの開催者あるいは出席者のところに面接者の氏名が載っているので、それを LinkedIn で検索して、面接者の方がどんなポジションなのか、どんなバックグラウンドを持っているのかをチェックしておいた。
また、募集要項を再度読み直して、どんなポジションでどんなスキルを必要とされているかを再確認して、それに対する回答も全部用意して面接に挑んだ。
面接で聞かれたこと
思った以上に日本の就活と変わらない印象だった。よく聞かれた質問は下記の通り。
- 自己PR
- 何のビザ?
- 前職で一番大変だったプロジェクトと、それをどういう風に乗り越えたか
- 専門性に関するテスト
- 修士の研究内容
- 逆に質問ある?
面接の雰囲気はどこも素晴らしく、アットホームというか優しい温かみのある雰囲気で行われた。
専門性に関するテストを出された時、答えはわかるが、それを英語でどう説明すればいいのかわからなかったりしたので、自分の専門分野に関して英語で復習しておくべきだと思った。
面接の結果
面接の数日後に HR から電話があり、オファーを貰えることになった。口頭でポジション名と給与を伝えられる。その後、メールで雇用の契約書や、その他の提出すべきリストが送られてきた。
就活を通じて知ったこと
LinkedIn は超大事
どの媒体から会社へ応募しても(Indeedなど)、応募先の人事や部長らは必ずと言っていいほど LinkedIn のプロフィールをチェックしてくる(通知が来るので、誰が見たかわかる)。レジュメに記載した電話番号やメールアドレスではなく、LinkedIn のメッセージ機能で連絡してくる人も多かった。LinkedIn から突如ポジションの話をもらって、面接したこともある。
LinkedIn のプロフィールに関しては次の記事を大いに参考にした。必読記事。自分の職歴について詳しく説明したり、レジュメに盛り込めなかったことを書いたりと、LinkedIn はしっかり作り込んどいた。
こんな連絡を貰えた
カナダの地域に拘らず、バンクーバー・トロントだけでなく、ど田舎の会社にも応募していた。複数のオフィスを構える会社の場合、「トロントオフィスでもポジション募集始めたからチェックしてみて」や「新しいポジション開くんだけど興味ある?」のような連絡をもらったことがあった。色々募集しておけば、ポジションが閉じられても連絡をもらえるチャンスがあるみたい。
すぐに連絡来なかったら終わり
基本的に次のステップへ進む or オファーをもらえる場合は数日あるいは1週間以内に連絡が来る感じだった。日本ではサイレントお祈りという言葉があるけど、カナダではサイレントお祈りがスタンダード。面接後に全く連絡こないなんてのはザラ。
会社の同僚に聞いた就活 Tips
3社から内定をもらっていたカルガリー大卒の同僚に聞いた Tips をシェア。
1. オファーを貰ったら他社に催促
例えば、一社の内定が出たら(あるいは出そうだったら)、「他社から内定出たんだけど(あるいは出そうなんだけど)、まだ貴社のポジションに興味があるんですが、私の応募のステータスはどうなってますか?」と催促することで、話が進むことが多かったとのこと。
他社がオファーを貰えたということは、評価に値する人間であることは担保されているわけなので、人事からしたら「ウチもコイツをチェックしとくか」となるのかも?。自分が転職するときはこの方法を活用しようと思った。
2. コーヒーチャット
これは海外就活では非常に有名な方法。応募先の会社で働いている人を LinkedIn 等で見つけて、コーヒーチャット(カフェでコーヒー飲みながら、話を聞く)をお願いするというもの。
つい先日、この同僚は転職しちゃったのだけど、転職の流れを聞いたら、最初はコーヒーチャットで転職先の会社のリードエンジニアと繋がったとのこと。その後、リードエンジニアに「ポジション空いてない?」とメールするも無視されたのだけど、翌月にまた「ポジション空いてない?」と聞いたら面接してもらえることに。そんで内定ゲットして、転職。という流れだった。
先ほどの LinkedIn プロフィールの記事の著者の方が書いている、下記の記事も参考になるので要チェック。
今思えばやっておけば良かったこと
その他、下記のことをやっておけばよかったなーと思うことを羅列。
- 大学・大学院の卒業証明書(英文)を手に入れるのが少々面倒だったので、カナダに来る前に取得してPDF化しておけば良かった。
- カナダの就活方法(上記で書いたこと)を事前に調べておくべきだった。
- レジュメも日本にいる時に予め用意して、Cambly で添削して貰っておけば良かった。
- 日本にいた時に、どんなプロジェクト(内容・場所・予算規模)を携わって、どんなポジションでどんなことをしたかの一覧を作っておくべきだった。レジュメを作るときに役立つので。
- ジョブオファーを貰った時に給与交渉をすべきだった。給与交渉はするだけタダだし、入社の段階が一番給与を上げられるチャンスらしいので。提示された給与でそのまま OK してしまって後悔。
- 就活時、コーヒーチャットを全くしていなかったので、やっておくべきだった。
今だからわかること。
思った以上にリファレンスは気軽なものだった。今働いている会社のフローとしては、簡単な紹介状(紹介相手の名前と、どこで知り合ったか)程度の紙と、紹介する方のレジュメをHRに送るだけ。紹介した人がオファーを得て、3ヶ月以上働いたら、紹介者に紹介料(1000-5000ドル)が入る。
紹介料を欲しいためか、レジュメを HR に送るだけでなく、わざわざ部長のところまで手渡ししに行って、「こいつ、マジですげーから要チェックです」とゴリゴリに推薦しているシーンを見たことがある笑。つまり、レファレンスをあげるって思った以上にカジュアルなものだから、「応募したいので、リファレンスもらえませんか?」や、「人事にレジュメ送ってもらえませんか?」などのお願いは気軽に頼んでいいと思う。